ぶらくり会26年9月例会「健康管理のための生体信号の取得」報告

ぶらくり会26年9月例会報告

開催日時:9月16日(火)午後6時30分~午後8時
開催場所:神戸市勤労会館 404号室
講  師:鈴木 新(すずき あらた)様
和歌山大学 システム工学部 光メカトロニクス学科 講師
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講演テーマ:「健康管理のための生体信号の取得」
出席者数:19名

9月度のぶらくり会例会は和歌山大学システム工学部の鈴木新先生を講師にお迎えし、「健康管理のための生体信号の取得」というテーマでご講演を頂きました。

鈴木講師は1998年に和歌山大学教育学部を卒業され(46期)、象印マホービンにて商品開発、生産技術、信頼性の部署を経験されるとともに海外工場にも頻繁に出張されて12年間のサラリーマン生活をされた後、2010年より和歌山大学システム工学部で教鞭をとられるとともに研究活動をされておられます。
なお、サラリーマン時代の仕事の傍ら2006年に奈良先端科学技術大学院大学にて博士号(工学)を取得されておられます。

講師は「知的メカトロニクス研究室」にて統計的データ解析技術の研究に取り組んでおり、精度の向上や使いやすく改良する研究や、応用分野として生体信号の解析や、電力需要予測、経済活動のリスク予測の研究をされておられるそうです。
また、重量物搬送用アシストスーツ、リハビリシステム等のロボット分野の研究もされている由。

この度は、各種ご研究のなかの生体信号の解析に係る分野に関連して-「健康管理のための生体信号の取得」-というテーマでご講演いただきました。
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背景としては、超高齢社会を迎える中、医療従事者不足もあって、在宅医療や予防医学のニーズが高まっており、遠隔地から独居老人の健康状態のモニターや、誰でも簡単に健康情報を測定できればとの、講師の思いがあったものと思われます。

なお、超高齢社会とは、65歳以上の人口の総人口に占める割合が21%以上の社会を指すそうですが、日本では今年中には26%近くなると言われており、他国に比べ突出しております。

生体信号とは体が発する様々な信号のことですが、その中でも血圧、脈拍、呼吸数、体温はバイタルサイン(Vital signs)として健康状態を判断する重要な指標ですが、これらを誰でも簡単に測定できれば医療従事者の負担軽減とともに予防医学の観点からも役立つと思われます。

まず体温測定ですが、高齢者にとっては腋を締めて体温計を落とさないで体温を測定することは苦痛であり気が付いた時には体温計を落としていたりするとのことであり、これを解消するために、講師は血圧計カフの内部に温度センサーを取り付けて血圧と体温を同時に測定する器具(血圧計組込み型上腕式体温計)を考案され、医療従事者には好評であったとのことでした。

 つぎに、血圧測定はカフに空気を送り込んで測定するオシロメトリック法が一般的ですが、この方法も気軽に測定できないという難点があるので、指先において測定し心臓疾患や末梢神経疾患の診断に用いる脈波測定の原理を応用して血圧を推定する方法を考案されたとのことでした。
この方法によれば、オシロメトリック法では連続測定が出来ないとか家庭で測定すると高血圧になる「仮面高血圧」とか、病院に行ったとたん血圧が上がる「白衣高血圧」のようなことが少なくなりより正確な血圧が比較的容易に測出来るとのことでした。

 また、脈波を測定し分析することによって血圧以外の事項、例えばストレスの評価、心臓の血流の評価、循環器の総合評価(血管年齢他)の評価、動脈血の酸素飽和度(95%以下だと命が危険)の評価等が出来るとのことでした。

 その他、今回のご講演では回帰分析を使ってのデータ解析や種々の方程式のご説明もあり、文系学部出身の諸兄にとってはいささか難解ではなかったかと勝手に推測してしまいました。

しかしながら、健康管理のためのデータを容易に入手する方法を日夜研究されていることは、医療機関にお世話になっているもののみならず健常者にとっても非常に有意義なことと思いました。

先生の研究がより多くの医療従事者、研究者に支持され、世間にも一層認識されることを願うとともに、各種データの解析等を通じて経済活動におけるリスク予測、株価動向予測等の分野にも研究を発展させて頂きたいところです。

ぶらくり会世話人  平林 義康(大学20期)
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