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ぶらくり会29年9月例会(第191回)報告『チーム・ビルディング-硬式野球部神宮への軌跡から』


開催日時:9月19日(火)午後6時30分~午後8時
開催場所:神戸市産業振興センター 801号室
講  師:竹林 明(タケバヤシ ハジメ)様
     和歌山大学観光学部教授
     和歌山大学硬式野球部監督
     和歌山大学経済学部第33期卒業
     兵庫県明石市出身
講演テーマ:『チーム・ビルディング-硬式野球部神宮への軌跡から』
出席者数 :18名

皆様ご存知のように、和歌山大学硬式野球部は、この度近畿学生野球連盟(KBL)の一部リーグを勝ち抜き神宮球場の大学選手権大会に初出場しました。
9月度のぶらくり会例会は、硬式野球部部長の竹林明観光学部教授に、神宮出場に到るまでの経緯を、チームビルディング論を交えてお話頂きましたのでその概要を報告します。

1.硬式野球部は創部93年目、連盟(KBL)加盟67年目にして初優勝、神宮大会出場を決める。
・硬式野球部の創部は1924年(大正13年)の経済専門学校時代、近畿学生野球連盟(KBL)に加盟したのは1950年(昭和25年)秋であります。KBLの中では、2003年から3年間一部リーグいたことはあったものの、長らく二部、三部の厳しい時代が続きました。そして、2012年秋には念願の一部リーグ復帰が叶い、15連覇中であった常勝・奈良学園大学の牙城を崩し、遂に初優勝、神宮大会への切符を手にしたのであります。

2.神宮大会の初戦はチームプレーで勝ったが二戦目(準々決勝)ではメンタル面で負け敗戦となった。
 ・初戦の岡山商科大には4対1で勝利。和大6安打4点、岡山商科大10安打1点。
  安打数では相手に負けたものの繋ぐ野球、ツーアウトからの点をとる野球で勝利を手にしました。1回無安打1点、3回3安打3点。しかしながら、二戦目の上武大にはメンタル面で負けたとのことです。最初より体格の良い相手選手に圧倒されてしまいました。

3.トップを目指す(勝つ)ために野球をやるというチームの最終目標を共通認識することが大事。
・桐蔭高校野球部元コーチの大原監督を和大に呼ぶにあたり2008年当時の主将に「楽しみで野球をやるのか、勝つために野球をやるのか」聞いたところトップを目指すとの答えが返ってきたとのことです。
  それからOBOGを含めて部一丸となってチーム作りが始まりました。学長は元硬式野球部監督であり部長も務められた、当時連盟会長であった小田学長、監督は大原監督、部長は竹林教授、そして学外ではありますが和歌山県の元教育長等、野球に対する情熱に溢れた方々が野球部を後押しすることとなりました。

4.3年前のあることがきっかけでこの度の神宮行きへの狙いが定まる。
 ・当時立ち上げたばかりのチームのホームページで大原監督が一年生の選手紹介をした際に「尊敬する先輩は?」との項目に対して、ほとんどの選手が現主将の眞鍋選手(当時2年生)の名前を書いていたそうです。
  それが決め手で、組織としては2年生の眞鍋選手が主将として適任と判断され、同時に眞鍋選手が4年になった時には神宮に行こうと狙いを定められました。
  下級生の眞鍋選手が主将になってチーム内に不協和音が起きないかと心配ですが、大原監督は大学野球には別の立場からチームを纏め、渉外活動をする主務という立場の人間がいるので、これを4年生にやらせればいいと考えたそうです。

5.チームを成功に導くには目的、目標の設定およびメンバーの責任の明確化が必要。
 ・和歌山大学硬式野球部の目的は「勝つ」野球をすること、目標はリーグ優勝し神宮に行くことで、これらは取りあえず達成されました。
  次にメンバーの責任の明確化ですが、約60人の部員全員を試合の際にベンチ入りさせる訳にはいきません(ベンチ入りは23人)。そこで野球部ではモチベーションの維持、コミットメント低下の防止、不祥事の防止のためにフィールドに立たない選手も含めて全員に役割を与えているそうです。その中には、試合結果を分析する分析班、情報発信するブログ班等があるそうです。

6.チームには色々なタイプがあるが大学部活ではセルフマネジング・チームが理想形。
 ・プロ野球の世界ではクロス・ファンクショナル・チームという形態があり、日ハムや広島が上手くやっているそうです。これはチームが課題解決(優勝)するために親会社、球団経営者、監督・コーチ、選手が部門横断的に協働するプロジェクトチームを結成しプロマネがこれを統括する形態だそうです。
  セルフマネジング・チームはTeam without boss(ボスのいないチーム)とも言われるそうですが、メンバーによって仕事の計画や分担を自律的に決定するもので、リーダーはあくまでサポート役だそうです。このチームを成功に導くにはメンタルコントロールが必要であり、セルフメンタルコントロールが出来るかどうかにかかっています。(この度の神宮での初戦はメンタルコントロールがうまくいき、二戦目はうまくいかなかったのでは)

7.神宮出場でマスメディアのパブリシティにより和歌山大学が一躍脚光を浴びることになった。
 ・全国紙のスポーツ欄、スポーツ新聞、野球専門誌、テレビ等のマスメディアによって和歌山大学硬式野球部の躍進が大きく取り上げられたことはご存知の通りです。卒業生の一人として非常に誇らしく思ったものです。
  そしてこの度の快挙により卒業生、現役学生の高揚感だけではなくこれから大学受験を考えている高校生等にも少なからず影響を与えているものと思いますし、大学当局におかれてもこの快挙を和大の底上げに是非活用して貰いたいものです。
  下世話な話ですが、神宮進出に際しては、多大の費用が掛かったとのことです。
選手の父兄からの資金拠出、卒業生からの寄付等により費用は何と賄ったとのことでしたが、講師(竹林部長)、大学の学生課長が資金集めに奔走されている姿をみて、差し出がましいですが大学当局がもっと前面に出て応援して頂ければと思った次第です。和大を全国区に引き上げるまたとない機会でしたから。

当日の講演ではまだまだ有益なお話を頂きましたが、紙面の都合上、以上にて報告を終わります。  

  ぶらくり会世話人  平林 義康(大学20期)
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