ぶらくり会30年5月例会(第194回)報告
ぶらくり会30年5月例会(第194回)報告
開催日時:5月23日(水)午後6時30分~午後8時
開催場所:神戸市産業振興センター 801号室
講 師:西田 崇章(にしだ たかあき)様
調剤薬局㈱プチファーマシスト オレンジ薬局泉佐野店管理薬剤師兼在宅推進部長
(略歴)
1973年熊本県生れ
兵庫県立宝塚西高等学校卒業
京都薬科大学薬学部製薬化学科卒業
外資系製薬会社日本イーライリリー㈱入社・MR活動を行う
講演テーマ:「お薬の飲み合わせで起こる副作用(意外と知らない副作用)」
出席者数 :18名
多くの皆様が日頃お世話になっている「お薬」ですが、医師に言われるがまま服用し、副作用等意外と知らないことが多いのではないでしょうか。
そこで、今回はその「お薬」の服用に当たっての注意事項等を、第一線で活躍されている薬剤師「西田 崇章様」にお話して頂きました。
ご講演の内容は以下の各項目ですが、それぞれについてその概略を報告します。
1. 薬とアルコール
2. どのくらいの水で薬を飲むとよいか
3. なぜ、同じ量の薬を毎日続けて飲むのか
4. 薬に使用期限はあるのか
5. 薬のさまざまな副作用
6. 整腸剤でおこる副作用
7. 血圧の薬の副作用
8. 睡眠導入剤の副作用
9. 薬の副作用があったら
10.薬の知識10か条
1. 薬とアルコール
1 飲んだお酒は体のなかでどうなるのか
口から入ったアルコールは胃から20%、小腸から80%吸収されます。その大部分が肝臓で代謝され、アセトアルデヒドを経てアセテート(酢酸)に分解されます。
アセテートは、血液によって全身をめぐり、筋肉や脂肪組織などで水と二酸化炭素に分解され体外に排出されますが、摂取されたアルコールの2~10%が分解されず、そのままのかたちで呼気、尿、汗として排出されます。
2 お酒を飲むとなぜ酔うのか
血液に入ったアルコールは循環されて脳に到達します。すると、アルコールが脳の神経細 胞に作用し、麻痺させます。これが酔った状態です。
3 お酒の1単位
お酒の1単位は純アルコールに換算して20gです。
そして1単位はビールは中びん1本(500ml)、日本酒は1合(180ml)、ウイスキーはダブル1杯(60ml)、焼酎0.6合(110ml)です。
4 酔いがさめるまでの時間
体重60kgの人が1単位のお酒を30分以内に飲んだ場合、アルコールは約3~4時間体内にとどまります。2単位の場合は約6~7時間かかります。これは個人差があるため、体質的にお酒に弱い人や女性ではもっと時間がかかります。
2.どのくらいの水で薬を飲むとよいか
コップ一杯程度(約200ml)の水かぬるま湯で飲むのが良いとされています。
その理由としては、薬(内服薬)を胃や腸に運ぶことと、薬を溶かす(製剤から薬効成分を溶出させる)ためです。
3. なぜ、同じ量の薬を毎日続けて飲むのか
薬の効果は、薬の有効成分の血液中の濃度(血中濃度)によって左右されます。血中濃度は高ければよいというわけではなく、それぞれの薬に効果的な濃度があります。そのため、薬の飲む量(服用量)や回数は治療効果、血中濃度、副作用に配慮して、あらかじめ設定されています。
4.薬に使用期限はあるのか
直射日光、湿度、温度などによって薬の成分が分解したり、変質したり、効果が弱くなったりすることがあるため、薬にも使用期限が定められています。
飲み薬で3年、外用薬で5年です。
ただし、処方された薬には使用期限が明記されていないことがほとんどです。処方された薬は医師・歯科医師が症状や病気を診断してから処方され、期間に飲み切ることが前提となっているからです。
5. 薬のさまざまな副作用
アレルギーのある人、腎臓、肝臓など薬の分解や排泄に直接関係する臓器に疾患がある人子供、お年寄りなど、薬を分解・排泄する力が弱い人は副作用がでやすくなっています。
薬の副作用として、ふらつき・転倒、物忘れ、うつ、せん妄、食欲低下、便秘、排尿障害等があります。
6種類以上の薬を飲むと副作用の確立が高いとの統計もあるので、薬はなるべく5種類までにしたいものです。
また、薬の種類を減らすには、・優先順位を考える、・本当に必要な薬かどうか、・控えるべき薬はないか、・生活習慣の改善は出来ないか等考えることが肝要です。
あわせて、医師、薬剤師に対して他に使っている薬を必ず伝えることも薬のトラブルを避けるための心得です。
副作用の起こるお薬の飲み合わせのうちよく知られているものとして以下のものがあります。
・降圧剤とグレープフルーツジュース
・抗結核薬とマグロ、チーズ
・総合漢方薬とコーヒー、コーラ⇒ 眠気防止にカフェインを配合したものが多く、カフェインを含むコーヒー、コーラと併せのむとカフェインの過剰摂取となり、様々な弊害をもたらすことがあるます。
・睡眠薬とアルコール
・抗菌薬・抗生物質と牛乳・ヨーグルト
6. 整腸剤で起こる副作用
整腸剤は、大きく分けて生菌製剤と耐性乳酸菌製剤にわけられ、生菌製剤の効能・効果は「腸内菌叢の異常による諸症状の改善」、耐性乳酸菌製剤は「抗生物質、化学療法剤投与時の腸内菌叢の異常による諸症状の改善」とされていますが、副作用としては以下のもの
があります。
・急性胃腸炎・・・・下痢、吐き気、腹痛などを起こす病気。ほとんどは自然に治癒
・過敏性腸症候群・・検査では異常が見られないがお腹に不快感・便秘・下痢が続く状 態の病気
・便秘症・・・・・・一般的に排便が週3回以下と少ない状態を指す
*便秘とは、「週3日以上排便がない状態、または毎日便意があっても残便感がある状態」をいいます。
便秘にも種類があります。
・弛緩性便秘・・・腸の運動や腸力の低下によるもの。高齢者やお産回数の多い女性などがなりやすい。
・痙攣性便秘・・・腸の運動がひきつったようになり、便の通りが悪くなるもの。下剤の乱用、過敏性腸炎などが関連している。
・直腸性便秘・・・排便の反射が弱くなっているもの。排便を我慢すること、浣腸の乱用などが原因。
・器質性便秘・・・大腸の炎症やがん、手術後の密着など、腸そのものによる通過障害や排出障害で引き起こされるもの。出血、腹痛、嘔吐をともなったり、心当たりがないのに便が急に止まるような場合は、直ぐに病院で受診してください。
7. 血圧の薬の副作用
高血圧に関するガイドライン(高血圧の数値)が98年、00年、04年、09年と変更されるに伴って降圧剤服用者が激増しており様々な副作用も発生しています。
主な副作用として以下のものがあります。
・劇症肝炎・・・肝機能障害、黄疸
・無顆粒球症・・血液中の白血球のうち顆粒球がなくなる病気で、細菌等に感染しやすくなり肺炎や敗血症などの重症感染症を起こす場合がある。
・白血球減少、血小板減少
・房室ブロック・・心臓の電気活動が阻害される病気で、めまいや失神をきたすこともある。
・横紋筋融解症・・横紋筋細胞が融解し筋細胞内の成分が血中に流出する病気で、腎不全などの臓器機能不全を起こし、死に至ることもある。
・歯肉肥厚・・・・歯肉が過度に発達した状態を言い、プラークと薬の副作用が関与していると言われている。
8.睡眠導入剤の副作用
中途覚醒時の出来事を覚えていない一過性前向性健忘やもうろう状態があらわれることがあるので、本剤を使用する場合には少量から開始するなど、慎重に行う必要があります。
なお、十分に覚醒しないまま、車の運転、食事等を行い、その出来事を記憶していないとの報告もあるので、異常が認められた場合には使用を中止すること。
主な副作用として以下のものがあります。
・精神神経系への副作用・・眠気、ふらつき、めまい、不眠、いらいら感、舌のもつれ等
・肝臓への副作用・・・・・AST(GOT)、ALT(GPT),、γ-GTP、Al-Pの上昇
・消化器への副作用・・・・口渇、食欲不振、悪心・嘔吐、下痢、便秘等
・循環器への副作用・・・・血圧上昇、動悸、胸部圧迫感、血圧降下
・過敏症・・・・・・・・・発疹、掻痒
・骨格筋への副作用・・・・倦怠感、脱力感
・その他・・・・・・・・・味覚変化、皮下出血、尿失禁、便失禁等
9.薬の副作用があったら
薬で副作用があった場合には「医薬品副作用被害救済制度」という制度を利用して給付請求を行うことが出来ます。
「医薬品副作用被害救済救済制度」は2004年4月に設立された厚労省所管の独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA、通称・パンダ)で取り扱っており、請求に必要な書類は同機構のホームページ(http://www.pmda.go.jp/kenkouhigai/fukusayo_dl)からダウンロードすることができます。
10.薬の知識10か条
① 人のからだは「自然治癒力」を備えています。しかし、「自然治癒力」が十分に働かないこともあります。そのような時に病気やけがの回復を補助したり、原因を取り除くために薬を用います。
② 薬は長い年月をかけて創り出され、承認制度により有効性や安全性が審査されています。
③ 薬には医師の処方箋が必要な医療用医薬品と処方箋がなくても薬局などで直接買える一般用医薬品があり、その販売は法律で規制されています。
4 薬は、使用回数、使用時間、使用量など、決められた使用方法がそれぞれ異なっており、医師・薬剤師の指示、薬の説明書に従って正しく使用しましょう。
5 医療用医薬品は、自分の判断で止めたり量を減らしたりせず、また、その薬を他の人に使ってはいけません。
6 薬には主作用と副作用があり、副作用には予期できるものと、予期することが困難なものがあります。
7 薬を使用していていつもと様子が違う時や判らないことがある時は、医師・薬剤師に相談しましょう。
8 薬は高温・多湿・直射日光を避け、子供の手の届かないところに保管しましょう。
9 「サプリメント」や「トクホ」は食品であり、薬ではありません。
10 「お薬手帳」は大切な情報源です。一人一冊ずつ持ちましょう。・・・東日本大震災の際に「お薬手帳」を携帯していたお陰で命拾いした事例もあったそうです。出来れば常に携帯したいものです。
以上お薬に関する知っているようで知らない話を多くお聞きすることができました。
お薬に頼る必要のない生活を送るのが基本中の基本ではありますが、どうしてもお薬が必要な時には、医師・薬剤師の処方したお薬は用法に従ってキッチリと飲むこと、服用するお薬の種類は極力減らすこと、万一副作用と思われるようなことが起こった時には服用を直ちに止めて医師・薬剤師に相談すること、「お薬手帳」は常に携帯することで自宅外での不慮の病気、けが等に迅速かつ適切に対応出来るようしておくこと等が肝要だと思いました。
人生100歳時代を元気に生き抜くためにも、お薬とは上手く付き合っていきたいものです。
以上
ぶらくり会世話人 平林 義康(大学20期)

開催日時:5月23日(水)午後6時30分~午後8時
開催場所:神戸市産業振興センター 801号室
講 師:西田 崇章(にしだ たかあき)様
調剤薬局㈱プチファーマシスト オレンジ薬局泉佐野店管理薬剤師兼在宅推進部長
(略歴)
1973年熊本県生れ
兵庫県立宝塚西高等学校卒業
京都薬科大学薬学部製薬化学科卒業
外資系製薬会社日本イーライリリー㈱入社・MR活動を行う
講演テーマ:「お薬の飲み合わせで起こる副作用(意外と知らない副作用)」
出席者数 :18名
多くの皆様が日頃お世話になっている「お薬」ですが、医師に言われるがまま服用し、副作用等意外と知らないことが多いのではないでしょうか。
そこで、今回はその「お薬」の服用に当たっての注意事項等を、第一線で活躍されている薬剤師「西田 崇章様」にお話して頂きました。
ご講演の内容は以下の各項目ですが、それぞれについてその概略を報告します。
1. 薬とアルコール
2. どのくらいの水で薬を飲むとよいか
3. なぜ、同じ量の薬を毎日続けて飲むのか
4. 薬に使用期限はあるのか
5. 薬のさまざまな副作用
6. 整腸剤でおこる副作用
7. 血圧の薬の副作用
8. 睡眠導入剤の副作用
9. 薬の副作用があったら
10.薬の知識10か条
1. 薬とアルコール
1 飲んだお酒は体のなかでどうなるのか
口から入ったアルコールは胃から20%、小腸から80%吸収されます。その大部分が肝臓で代謝され、アセトアルデヒドを経てアセテート(酢酸)に分解されます。
アセテートは、血液によって全身をめぐり、筋肉や脂肪組織などで水と二酸化炭素に分解され体外に排出されますが、摂取されたアルコールの2~10%が分解されず、そのままのかたちで呼気、尿、汗として排出されます。
2 お酒を飲むとなぜ酔うのか
血液に入ったアルコールは循環されて脳に到達します。すると、アルコールが脳の神経細 胞に作用し、麻痺させます。これが酔った状態です。
3 お酒の1単位
お酒の1単位は純アルコールに換算して20gです。
そして1単位はビールは中びん1本(500ml)、日本酒は1合(180ml)、ウイスキーはダブル1杯(60ml)、焼酎0.6合(110ml)です。
4 酔いがさめるまでの時間
体重60kgの人が1単位のお酒を30分以内に飲んだ場合、アルコールは約3~4時間体内にとどまります。2単位の場合は約6~7時間かかります。これは個人差があるため、体質的にお酒に弱い人や女性ではもっと時間がかかります。
2.どのくらいの水で薬を飲むとよいか
コップ一杯程度(約200ml)の水かぬるま湯で飲むのが良いとされています。
その理由としては、薬(内服薬)を胃や腸に運ぶことと、薬を溶かす(製剤から薬効成分を溶出させる)ためです。
3. なぜ、同じ量の薬を毎日続けて飲むのか
薬の効果は、薬の有効成分の血液中の濃度(血中濃度)によって左右されます。血中濃度は高ければよいというわけではなく、それぞれの薬に効果的な濃度があります。そのため、薬の飲む量(服用量)や回数は治療効果、血中濃度、副作用に配慮して、あらかじめ設定されています。
4.薬に使用期限はあるのか
直射日光、湿度、温度などによって薬の成分が分解したり、変質したり、効果が弱くなったりすることがあるため、薬にも使用期限が定められています。
飲み薬で3年、外用薬で5年です。
ただし、処方された薬には使用期限が明記されていないことがほとんどです。処方された薬は医師・歯科医師が症状や病気を診断してから処方され、期間に飲み切ることが前提となっているからです。
5. 薬のさまざまな副作用
アレルギーのある人、腎臓、肝臓など薬の分解や排泄に直接関係する臓器に疾患がある人子供、お年寄りなど、薬を分解・排泄する力が弱い人は副作用がでやすくなっています。
薬の副作用として、ふらつき・転倒、物忘れ、うつ、せん妄、食欲低下、便秘、排尿障害等があります。
6種類以上の薬を飲むと副作用の確立が高いとの統計もあるので、薬はなるべく5種類までにしたいものです。
また、薬の種類を減らすには、・優先順位を考える、・本当に必要な薬かどうか、・控えるべき薬はないか、・生活習慣の改善は出来ないか等考えることが肝要です。
あわせて、医師、薬剤師に対して他に使っている薬を必ず伝えることも薬のトラブルを避けるための心得です。
副作用の起こるお薬の飲み合わせのうちよく知られているものとして以下のものがあります。
・降圧剤とグレープフルーツジュース
・抗結核薬とマグロ、チーズ
・総合漢方薬とコーヒー、コーラ⇒ 眠気防止にカフェインを配合したものが多く、カフェインを含むコーヒー、コーラと併せのむとカフェインの過剰摂取となり、様々な弊害をもたらすことがあるます。
・睡眠薬とアルコール
・抗菌薬・抗生物質と牛乳・ヨーグルト
6. 整腸剤で起こる副作用
整腸剤は、大きく分けて生菌製剤と耐性乳酸菌製剤にわけられ、生菌製剤の効能・効果は「腸内菌叢の異常による諸症状の改善」、耐性乳酸菌製剤は「抗生物質、化学療法剤投与時の腸内菌叢の異常による諸症状の改善」とされていますが、副作用としては以下のもの
があります。
・急性胃腸炎・・・・下痢、吐き気、腹痛などを起こす病気。ほとんどは自然に治癒
・過敏性腸症候群・・検査では異常が見られないがお腹に不快感・便秘・下痢が続く状 態の病気
・便秘症・・・・・・一般的に排便が週3回以下と少ない状態を指す
*便秘とは、「週3日以上排便がない状態、または毎日便意があっても残便感がある状態」をいいます。
便秘にも種類があります。
・弛緩性便秘・・・腸の運動や腸力の低下によるもの。高齢者やお産回数の多い女性などがなりやすい。
・痙攣性便秘・・・腸の運動がひきつったようになり、便の通りが悪くなるもの。下剤の乱用、過敏性腸炎などが関連している。
・直腸性便秘・・・排便の反射が弱くなっているもの。排便を我慢すること、浣腸の乱用などが原因。
・器質性便秘・・・大腸の炎症やがん、手術後の密着など、腸そのものによる通過障害や排出障害で引き起こされるもの。出血、腹痛、嘔吐をともなったり、心当たりがないのに便が急に止まるような場合は、直ぐに病院で受診してください。
7. 血圧の薬の副作用
高血圧に関するガイドライン(高血圧の数値)が98年、00年、04年、09年と変更されるに伴って降圧剤服用者が激増しており様々な副作用も発生しています。
主な副作用として以下のものがあります。
・劇症肝炎・・・肝機能障害、黄疸
・無顆粒球症・・血液中の白血球のうち顆粒球がなくなる病気で、細菌等に感染しやすくなり肺炎や敗血症などの重症感染症を起こす場合がある。
・白血球減少、血小板減少
・房室ブロック・・心臓の電気活動が阻害される病気で、めまいや失神をきたすこともある。
・横紋筋融解症・・横紋筋細胞が融解し筋細胞内の成分が血中に流出する病気で、腎不全などの臓器機能不全を起こし、死に至ることもある。
・歯肉肥厚・・・・歯肉が過度に発達した状態を言い、プラークと薬の副作用が関与していると言われている。
8.睡眠導入剤の副作用
中途覚醒時の出来事を覚えていない一過性前向性健忘やもうろう状態があらわれることがあるので、本剤を使用する場合には少量から開始するなど、慎重に行う必要があります。
なお、十分に覚醒しないまま、車の運転、食事等を行い、その出来事を記憶していないとの報告もあるので、異常が認められた場合には使用を中止すること。
主な副作用として以下のものがあります。
・精神神経系への副作用・・眠気、ふらつき、めまい、不眠、いらいら感、舌のもつれ等
・肝臓への副作用・・・・・AST(GOT)、ALT(GPT),、γ-GTP、Al-Pの上昇
・消化器への副作用・・・・口渇、食欲不振、悪心・嘔吐、下痢、便秘等
・循環器への副作用・・・・血圧上昇、動悸、胸部圧迫感、血圧降下
・過敏症・・・・・・・・・発疹、掻痒
・骨格筋への副作用・・・・倦怠感、脱力感
・その他・・・・・・・・・味覚変化、皮下出血、尿失禁、便失禁等
9.薬の副作用があったら
薬で副作用があった場合には「医薬品副作用被害救済制度」という制度を利用して給付請求を行うことが出来ます。
「医薬品副作用被害救済救済制度」は2004年4月に設立された厚労省所管の独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA、通称・パンダ)で取り扱っており、請求に必要な書類は同機構のホームページ(http://www.pmda.go.jp/kenkouhigai/fukusayo_dl)からダウンロードすることができます。
10.薬の知識10か条
① 人のからだは「自然治癒力」を備えています。しかし、「自然治癒力」が十分に働かないこともあります。そのような時に病気やけがの回復を補助したり、原因を取り除くために薬を用います。
② 薬は長い年月をかけて創り出され、承認制度により有効性や安全性が審査されています。
③ 薬には医師の処方箋が必要な医療用医薬品と処方箋がなくても薬局などで直接買える一般用医薬品があり、その販売は法律で規制されています。
4 薬は、使用回数、使用時間、使用量など、決められた使用方法がそれぞれ異なっており、医師・薬剤師の指示、薬の説明書に従って正しく使用しましょう。
5 医療用医薬品は、自分の判断で止めたり量を減らしたりせず、また、その薬を他の人に使ってはいけません。
6 薬には主作用と副作用があり、副作用には予期できるものと、予期することが困難なものがあります。
7 薬を使用していていつもと様子が違う時や判らないことがある時は、医師・薬剤師に相談しましょう。
8 薬は高温・多湿・直射日光を避け、子供の手の届かないところに保管しましょう。
9 「サプリメント」や「トクホ」は食品であり、薬ではありません。
10 「お薬手帳」は大切な情報源です。一人一冊ずつ持ちましょう。・・・東日本大震災の際に「お薬手帳」を携帯していたお陰で命拾いした事例もあったそうです。出来れば常に携帯したいものです。
以上お薬に関する知っているようで知らない話を多くお聞きすることができました。
お薬に頼る必要のない生活を送るのが基本中の基本ではありますが、どうしてもお薬が必要な時には、医師・薬剤師の処方したお薬は用法に従ってキッチリと飲むこと、服用するお薬の種類は極力減らすこと、万一副作用と思われるようなことが起こった時には服用を直ちに止めて医師・薬剤師に相談すること、「お薬手帳」は常に携帯することで自宅外での不慮の病気、けが等に迅速かつ適切に対応出来るようしておくこと等が肝要だと思いました。
人生100歳時代を元気に生き抜くためにも、お薬とは上手く付き合っていきたいものです。
以上
ぶらくり会世話人 平林 義康(大学20期)




